「妖怪人間ベム」第4話 感想

週末は仕事で某所に缶詰でした。笹塚に近いところにいたので,打ち上げでひっさびさにCHIANTI本店に行ってご飯を食べて,ドレッシングを買って帰ってきました。あのドレッシングがあると,生野菜を食べるぞ〜という気分になります(単純)。

さて,そんなわけで今週も録画で観た「妖怪人間ベム」の感想を。(2011/11/15記)

  • ベロに「自分のためじゃないの!」と言われて,思わず「あぁあぁ,そうかもね!」と言い返してしまうベラ。一番リアルで,共感できる。
  • ベロのおばちゃんに対する「ありがとうございました」という言い方が,ひどく礼儀正しくて,めちゃくちゃ可愛い。
  • 「何かしゃべっておくれよ」と要求するベラに,まさかのベムの返し「最近,寒くなってきたな」。えー!ここで,まさかの季節ネタ?しかも,えらく微妙な表情。真剣にディスカッションをしたりするんじゃないんかい!...でも,こういう時のベムとベラって,ひどく人間的で,最高に可笑しい。
  • 春ちゃんのマネをして,よろめきながら白線の上を歩いてみるベラが可愛い。
  • 第1話からずっと,うっすら気になっていたのは,犯人が救われないまま終わっていくということ。もちろん,本当は完全な悪ではないはずなのに,謎の男に会ったために悪の方向に振り切れてしまっているという設定はわかるのだが,妖怪人間には救いがあるのに対して,犯罪者には全く救いがないんだよなぁ...妖怪人間に会って怖い思いをしたから,もう犯罪をしないだろう,という「目には目を,歯には歯を」的な発想で全てが片づけられてしまっているというか。でもって,今回も恐ろしくステレオタイプな「負け犬」っぷりだったので観ていて少々辛かったのだけど,よくよく考えてみると今回が一番救いがあったような気がする。残念ながら,当の本人は全く気付いていない救いなのだけれど。例えば,彼女がすごく楽しそうに買い物をしている姿を見て,ベラが自分もベロに餃子を作ってあげようと思ったところとか。ベラにしてみれば,ベロのことを「うちの子」などと言われて,心穏やかではなかったはずだ。でも,その時に力ずくで取り返そうとするのではなく,「自分もベロに何かしてあげよう」と思って小春ちゃんのところに行ったのは,「誰かのために何かをしてあげることが幸せなことだ」と彼女の姿を見て感じたからではないかと思う。それだけでも,彼女が存在した意味があったといえるのではないか。というか,そう思いたい。そうじゃないと,悲しすぎる。
  • 人間を見て新しいことをやってみようと思うベラに対して,最初っからベロをひたすら見守っていて,ひっそりと助けてあげようとするベム(あのシーンでは思わず,公園に空き瓶落ちすぎてないか,とツッコミを入れてしまいましたが)。ベロをとっても大切に思っていることもわかるし,夏目さんを見る視線から,家族という存在に強い憧れを持っているということもわかるのだけど,何気に一番頑固というか変わらなそうな気がする。
  • ベムが「なぜ誇りを持てない」というところがあるけれど,あそこだけは“人間ってそれほど出来てないって”と思う。自分のやっていることに誇りを持てている人って,そんなに多くない。一握りの本当に幸せな人だと思う。そうでない多くの人は,誇りを持てるほどのことはやっていないし,私に存在意義なんてあるのかねと,心のどこかで不安に思っているけれど,でもそれでも何とか頑張って生きていこうと思っているんじゃないだろうか。つまり,「誇りをもつ」という話と「火をつけない」という話は,かなりレベルが違う,ということ。前回と今回の犯罪者には正義がない。ゆがんだ正義すら,ない。自分の寂しさを紛らすために他人に迷惑かけるんじゃないっていうレベルの話だと思う。ベラはこのレベルの低さを理解していて「情けない女だねぇ」と切り捨てるわけだけど,ベムのセリフのほうはなんかちょっとズレているような気がするんだな。人間って素晴らしい存在だ,という思いが強いからかな。
  • いろんな意味で,今回はこれまでと構図が違うなと思う。悪の性格もそうだし,助ける対象が人間じゃなくて仲間だというところもそうだし。ベムもベラも,人間を助けなかったら妖怪になってしまう,とか,そういう漠然とした正義ではなく,極めて具体的に,自分にとって大事な存在,つまりベロを傷つけるやつを許さない,という論理で戦っている感じがしたので。
  • ベロが犯人をかばうところは,さすがに涙なしには見られないですね。すごい役者だ,鈴木福,って感じです。怖がるおばちゃんを見ても「もういいでしょ,こんな姿だもん,怖がって当たり前だよ」と言うところなんて,いつの間にそんなに大人になったんだーという感じ。ベムよりずっと大人じゃないか!(ベムはああいう状況になったら,おそらく立ち直れない,と思う)
  • でも,個人的には,餃子を渡す時に「あんたが喜ぶと思って,作ってやったんだ」って言っちゃうちょっと子供っぽいベラがとても好き。
  • 最後のベムとベラがベロのことを抱きしめてあげるところ,良いなぁ。第1話のやり取りは,いみじくもベロが「おぉ,なんか人間っぽーい」と言うように家族ごっこ的なのだけど,話が進むについて,3人ともどんどん人間っぽくなっているというか,自然に家族的な雰囲気になっているというか。人間になりたいという願いを忘れそうになるというか,もう十分人間的じゃないの,という気分になる。
  • ここでバレるんだ...そりゃ夏目さんもパニクるよね。相変わらず先が読めなくて,ドキドキする。