KAT-TUN TOKYODOME SPECIAL CONCERT Debut "Real Face"感想(1)

だいぶ出遅れた感じですが,デビューコンの感想をアップします。先日はレポを書くと宣言しましたが,書き出してみて思ったのは,やっぱり私にはレポは不可能だということでした。事実を書くのはとても難しいことで,どんな書き方をしても,一人のファンが,あの日,あの場で感じたことにしかならないんですよね。
思いついたことを思いついたままに,書いていくことにします。



リアルな彼らを観る前に

実は,出だしは最悪だった。


東京ドームに到着したのは15時半すぎ。すでに各ゲート前は長蛇の列で嫌な予感がする。ドームの正面入口までやってくるとその予感は的中していることがわかった。はるかかなたに見えるグッズ売場は,見渡す限り人,人,人で,そばに近づくことさえままならない。入場してから,中のグッズ売場で購入するようにと指示するアナウンスが聞こえたので,グッズ売場に向きかけた足を元に戻す。
すでに多くの人でごった返しているゲートの前で開場を待っていると,16時を少しまわった頃に入場開始。ドーム内に入るまでに約20分かかった。


不幸な出来事に遭遇したのは,会場内のグッズ売場で並んでいるときだった。
ツアーのチケットが全然とれないと怒っている人が近くにいて,文句を言っているのが全部聴こえてくる。そういう気持ちを持っている人がいるということはわかっていたけれど,やっぱり生で聴くと,ヘコむものだ。その上,たたみかけるように言葉が続く。“新規ってさ,どうせ全員ごく出とかそれ以降でしょ”“新規が必死になって振り付け覚えてんのとか想像すると笑えるよね”...


「新規」ファンが持っている複雑な気持ち,きっとわかってもらえないだろうなと思った。KAT-TUNのことが好きでたまらないのに,それでも何となく遠慮してしまったり,前日の夜なぜだか眠れなくて神サマコンのDVDを観てしまったり,観ながら,明日参加する多くのファンはこの時KAT-TUNと一緒にいたんだよな〜とぼんやり思ってしまったりする気持ち,きっとわかってもらえないだろうな。


早くコンサートが始まればいいと思った。KAT-TUNのメンバーの顔を見れば,きっとこんなくだらない気持ち,どこかに行ってしまうはずだ。DBsのときもそうだったから。そう信じながらも,もはやコンサートの開始そのものが信じられないくらいに,テンションは下がっていた。


オープニングはリアフェで−オリジナル曲が続々登場−

グッズ売場の混雑がすごくて,入場後すぐに並んだのに,結局買えないまま列を離れざるを得なくなった。ますますテンションが下がるのを感じながら,座席へと急ぐ。座席に着くと,ほどなく会場の照明が落ちた。


いよいよ,スタート!


オープニングは,大方の予想通り"REAL FACE"だった。KAT-TUNのメンバーはバックスクリーンからトロッコに乗って登場。3名ずつに分かれて,スタンドに沿って進んでくる。私の席は果てしなく上のほうだったので,豆粒大の彼らを覚悟していたのだけど,みんな驚くほど大きく見える。そして,生で聴く"REAL FACE"は,しっかりと彼らのものになっていた。
その後も,アルバム収録曲を中心に,オリジナル曲が次々披露される。ある時はリフトに乗って,あるときはアリーナを走って,またあるときは中央のステージ上でダンスを披露しながら,次々とオリジナル曲が披露されていく。とにかくすごい運動量だ。彼らが頑張ってくれたおかげで,東京ドームを広すぎると感じることは一度もなかった。初めての東京ドームのはずなのに,ステージの使い方が本当に上手くて,しかも6人が堂々としていて,ただただ脱帽。


それにしても,仁人気はすごかった。もしかしたら,私の席周辺が仁エリアだったのかもしれないけれど,絶叫が聞こえて何事かと思ってそちらを見ると仁くんがいるというパターンが何度も。それにも関わらず,仁くんはまんべんなくファンに愛想を振りまくなんていうことはしない。知り合いらしき人に挨拶をしたり,どこまでもピンポイントなお手振りをしたりする。じーーーん,こっち向けーーーと念じたり,体力温存するな〜!と悪態をつきながらも,何だか表情は緩んでしまう。このつれない感じが何とも仁くんらしくて,嬉しかったから。


記者会見は和やかな雰囲気で

オリジナル曲とアルバム収録の数曲が披露されたところで,スタジアム内の照明が明るくなり,亀ちゃんの“今日は特別な日なんで,この場で記者会見をやっちゃおうと思います!”という宣言と共に,写真撮影および記者会見に突入。
写真撮影のとき,“(KAT-TUNの)みなさん,センターでお願いします”を連呼し,その上“ちょっとすいません”と言いながら立ち上がろうとする落ち着きのない(笑)亀ちゃんに,仁くんが一言。“あの,すいません,動かないでもらえますか?”仁亀のこういうやり取りが,もう,すごく好き!大好き!
当然のことながら,みんなテンションは高めだった。バックスクリーンのカメラに映るたびにゆっちが変顔を連発して,とうとう聖に“そろそろやめとけよ。明日後悔するのはお前だからね”と優しく諭されていたり,亀ちゃんが“気持ちいいぞ〜!!”と観客に向かって叫んでくれたり。
記者会見でもMCでもみんながバランスよくしゃべっていた印象が強いのだけど,上ぼだけは相変わらず寡黙だった。でも,それだけに記者会見で“ありがとうございます!”って言ってくれたときには,その言葉が心にすっとしみこんでくる感じがした。
亀ちゃんは,みんなと自由にしゃべるというよりは,要所要所でお客さんに対して説明をしたり,語りかけたりという印象のほうが強かった。記者会見とかMステでは,亀ちゃんがしゃべっている印象が強かったと思うのだけど,他のMC部分では実はそうでもない。ただ,何かしゃべるたびに客席に向かって反応を確かめてくれるので,亀ちゃんって本当に気を遣う人なんだなぁと感動。とりあえず何でも絶叫で答えておく(聖に“今日は何言っても,キャーって言ってくれるみたいです”と言われたアレです。笑)。
仁くんは“一位とりますよ”とやけにきっぱり宣言した後に,何枚を目標にしましょう?と聞かれて,“えーっと...”と困っていたのが面白かった。最後はえらく少ない数字を言って(確か3万枚?),客席からブーイングされてましたが(笑)。このかっこよさとヘタレ感が同居しているあたりが,何とも仁くんらしくて,これまた嬉しくなる。


願いが通じたとき

記者会見が終わると“これまでのコンサートでやって評判のよかったソロコーナーをここでもう一度やっちゃいます!これは今日だけです!ツアーではやりません!”という亀ちゃんの説明とともに,仁くんが“俺,次ソロだから,はけるわ”と退場。照明が落ちて再びコンサートっぽい雰囲気になる。


“まずはゆったりめのナンバーから”という亀ちゃんの声に続いて,5人が“絆”を熱唱。ソロコーナーは全員一曲ずつだと思っていたので,“やっぱり絆で来るのか...”と思ってしまって,ちょっとがっくり。しかも,絆は仁亀ハモリが聴けてナンボの曲なのに,肝心の仁くんがいなくて,よけいがっくり。
その後は,ルッキンコンで披露したらしいソロ曲が続く。
仁くんは海賊帆でソロの前にやったダンスみたいなのを少しはさんでから“care”を披露。“ムラサキ”も“ha-ha”もかっこよくてよかったけど,“care”のようにしっとり聴かせる曲も同じくらい良い。仁くんには,バラードがよく似合う。
次はじゅんの。期待通り,東京ドームの広さをものともしないパフォーマンスで,ステージを端から端まで使っていた。アクロバットが非常によく映える。やっぱり,じゅんのには広いスペースがよく似合う。
そして聖。マフィアスタイルが気持ち悪いくらい(失礼!)似合っていて,遠目に観てもカッコいい。
この調子で上ぼもギターを抱えて出てくるのかと思っていたら,彼だけは“Love in Snow”(海賊帆でのソロ曲)だった!(喜) あの曲のせつない感じがすごく好きなので,聴くことができて嬉しかった。
ここまででソロコーナーの最初に感じたガッカリ感は十分消えていたのだけれど,次のイントロを聴いて嬉しさのあまり倒れそうになった。そう,聴こえてきたのは“離さないで愛”!“絆”で終わりじゃなかったんだ〜っ!!!!何かあるたびに“聴きたい,聴きたい”と思い続けてきたので,気持ちが通じた気分だった。アレンジは神サマコンとは変わっていたけど,一番好きな振り付けは活かされていて,それが嬉しい。高い声も変わらず,ダンスも相変わらずカッコいい。一番好きな人が一番好きな曲を歌って踊ってくれる。そしてそれを見ることができる。私,何もしていないのに,こんなに幸せで良いんだろうか...
次に出てきたゆっちは,バイオリンとのコラボからスタート。合わせるのにとても苦労しているのがわかって,でも結果的に合っていなくて,ちょっとハラハラする。でも,その後のソロ曲はきっちり揃えてきて,一安心。
まさか聴けると思っていなくて,またもや絶叫してしまったのは,次の“TEN-G”。最後の“調子に乗ってすみません”という土下座がかわいくて,よかった。


このソロコーナーを見ながら,KAT-TUNのメンバーとスタッフのファンに対する温かな視線みたいなものをずっと感じていた。“俺達はこれまでこんなことをやってきた。今後デビューして活動を続けていくわけだけど,俺らの後ろにはすでにこれだけの歴史があります”っていうことを非常にシンプルに,そしてわかりやすく教えてくれた気がしたから。