Live of KAT-TUN "Real Face" 名古屋公演(4)6人6様のソロ


ライブに行くのなんてすごく久しぶりで,しかもジャニ関係のものは初めてで,知らず知らずのうちに疲れ果てていたらしい。ここのところ,仕事でもKAT-TUN事でもちょっとだけテンションが下がり気味だ。


そんなときに読ませてもらっているからかもしれないが,このところメンバーが疲れているみたいだ,というちょっとネガティブな感想によく出会う気がする。亀ちゃんが元気がないように見えた,というようなヤツだ。仁くんが歯に衣着せぬ発言をしたこともあって(もちろん,あれは仁くんだからできたことではあるのだけど),よけい“メンバーはものすごく疲れてるんじゃないか”と心配になってしまうのだと思う。


名古屋の2日目,遠目に見ても,疲れているんだろうなぁと思わざるをえない場面は多々あった。終盤になると,さすがに足も止まるし,精彩も欠く。声だって出なくなる。当たり前だ。2時間半の公演中アリーナを何周もするんだから。歩いていないときはシャカリキに踊ってるんだから。ずっと歌い続けてるんだから。しかも,それを短期間に何公演も続けてやっているんだから。疲れないほうがおかしい。おそらく公演が終わるたびにグッタリしているに違いない。どうにも調子が悪い時だってあるだろう。


それでも彼らはカッコいい。
亀ちゃんも仁くんも,もちろん他の4人も,コンサートでは輝いているし,笑顔だし,頑張っていた。投げやりになってしまったり,雑だったり,嫌そうにしていることは一度もなかった。20歳そこそこの若者なのに,すごいプロ意識だと思う。少なくとも私にはそう見えた。
だから,彼らの姿はそのままストレートに受け取りたい。いろいろ悩んでいるんじゃないかとか,本当は疲れてるんじゃないかとか,ファンのことを嫌がっているんじゃないかとか,そういう深読みはしないで,純粋に彼らのプロ意識を称えたい。仕事や日々の生活を頑張ろうと思える元気をもらえたことに感謝したい。


彼らは十分カッコいい。
心配するのは,彼らの頑張りに対して少し失礼な気がする。


さて,以下はライブの感想最終回。いつまで引っ張ってんだ!と自分にツッコミを入れつつ,とにかく書いてしまいます。最後は6人のソロの感想を。


“なんちゃって”ではないHIPHOP
ソロのトップバッターは聖。グリーンを基調としたHIPHOP系の衣装で,頭にバンダナを巻いて,大きなサングラスをかけて登場。聖に関しては,海賊帆とルッキンコンのどちらのテイストで来るかで,かなり印象が変わるのではないかと思っていたのだけど,嬉しいことに私の好きな海賊帆テイストのほうで来てくれた。メインステージできっちり踊ってくれたので,至近距離で見ることができて幸せ。さらに嬉しかったのは,途中から仁くんとゆっちがダンスに加わったこと。「王様のブランチ」で仁くんがコメントしていたとおり,HIPHOP系のダンスを得意とする3人が揃い踏みで,センターに聖,右にゆっち,左に仁くんが位置している。3人ともあまりにかっこよくて,最後どこを見たら良いか迷ってしまったことを除けば(笑),最高のソロ曲だった。


ヒガシをほうふつとさせるたたずまい
聖の次は,じゅんのが登場。メインステージの階段に赤い絨毯を広げて,その上を降りてくる。まるっきり宝塚だ...テーマは「チャイナ」らしい。ナポレオンジャケットでコテコテの衣装なのだけれど,それが驚くほど似合っている。ヒガシが若い頃ってこんな感じだったよなぁ(って歳がバレますね)。ダンスの振付も,アクロバティックな要素を取り入れていて,宙を舞うという印象が強い。集中力を切らした途端に破綻する難易度の高いプログラムだと思うのだけど,私が見た2回ともきっちり決めていた。やっぱり,じゅんのの体力と集中力ってすごい。


座る姿さえもが色っぽい
お次は亀ちゃん。黒シャツに白スーツ&白タイ。ボルサリーノ(でいいんでしょうか?)を目深にかぶって登場。華奢な身体にシンプルなスーツが映える。どうしようもなくキザな衣装なのに,亀ちゃんが着ると“これもアリかも”と思えてしまうから不思議だ。同時に,亀ちゃんみたいなメンバーがいるから,KAT-TUNってかろうじてジャニーズの枠にはまっているんだなと実感する。
ムービングステージ上で踏むステップが軽やかで,そしてリズミカルで,高くて甘い歌声とよく合っている。それにしても,声高いな〜。女の子以上に女の子だよ。
さらに不思議なのは,ただ単に椅子に座って背もたれにあごを乗せるようにして歌っているだけなのに,どうしてあれだけ雄弁に語れるのかということ。アンニュイとでもいうべき独特の雰囲気を漂わせて,そこに存在している。それだけで十分色っぽいし,綺麗だ。ラストのシャツ前はだけとか脱ぎ捨てるとか,椅子に顔を伏せたりするしぐさがなくても,十分イケてると思うんだけどな。


ロックバンド万歳
MCと数曲はさんだ後に,今度はソロの後半戦が始まる。トップバッターは上ぼ。"Love in Snow"的な静かな始まり方だったので,またバラードで来るのかなと思ったら,ロックバンドを従えて歌う形式。いい意味で裏切られた。
衣装も黒Tシャツに黒パンツで,いたってシンプル。日頃のトレーニングの成果から,二の腕の筋肉がいい感じでついているので,そういうシンプルなスタイルがすごく似合う。
彼がメインステージ上で熱唱するのを聴きながら,こういうのが好きなんだなぁ,ということを強く感じていた。こりゃ,KAT-TUNでもなければジャニーズでもないよなぁ,と。


ジャニーズの王道
「あらためまして,中丸雄一です」と,ゆっちが登場。軽くMCをはさんでから,FIVEとセッション。いかにもという感じのMC口調なのだけど,彼の語り口もたたずまいも,文字通り和む。テンション上がりっぱなしのライブの中で少しほっとする時間。
スタイルは派手めの白ジャケットとボルサリーノで,亀ちゃん以上にジャニーズの王道感が漂う。
ソロ曲では,じゅんのと亀ちゃんがバックダンサーでつく。二人が顔を見合わせながら楽しそうに踊っていたのが,とても印象的だった。そして,このときのわりあい激しめのダンスが,個人的には好き。亀ちゃんは,しっとり歌うのも好きだけど,シャカリキに踊っているところも好きなので。肝心のメインを見ないでバックばっかり見ちゃって,ごめん!(>ゆっち)


セクシーさはホンモノ
“ha-ha”と同系統の,ダンスと歌が融合しているソロ(歌詞は日本語)。仁くんは,黒ジャケットが本当によく似合う。
そして,仁くんの腰回しは本当に本当に本当にエロい。仁亀に時々見られる“腰は回しとけ”みたいな振付は,実はあまり好みではないのだけど,仁くんの腰回しは見て損はない。というよりむしろ,必見(笑)。至近距離で見るとすごい迫力!
後半で,金髪の美女とからむのだけど,身体を沿わせたり,キスしたり...とそりゃもうあんなことこんなことをやってくれる(全部は書くまい,笑)。で,そのたびに客席から悲鳴が上がる。ところが,実はその美女はただのダンサーではなくて,最後にかつらとかハットを全部とるとセクシーとはほど遠いとぼけ顔の聖が現われるというオチ。このときの聖がかわいくて,聖の頭をはたく仁くんが嬉しそうで,ほほえましい。


怖いほどの方向性の違い
それぞれのソロを見終わったときの正直な感想は,“よくここまで一つのグループでやってきたな”ということだった。6人とも恐ろしいほど方向性がバラバラで,しかもそれぞれ気合の入れ方がハンパないので,見ているとよけいザワザワした気分にさせられる。ソロを歌っているときの彼らが,それぞれ一番カッコよく見えたからかな。亀ちゃんがインタビューで言っているように,6人がそれぞれ自分の得意分野で頑張って,それが6人集まったときに相乗効果になったらいいよね,と心から思った。


最後に
彼らは2時間半から3時間のライブ中,ものすごくいっぱい小ネタを披露してくれた。
たとえば,仁くんの替え歌。冒頭の“ハルカナ約束”での「声が聞こえない」とか,BLUE TUESDAYの「会わないし,電話もしない♪」の歌詞を「会わないし,電話もでんわ〜♪」と替え歌し,終わったあと会心のガッツポーズ。替え歌以外にも,クレーンの上でゆっちと正座して歌って笑いを誘ったり。
アミーゴのお遊びのときも,じゅんのが階段落ちをやってみせたり。亀ちゃんのバックでサビの部分を踊る聖がやたら姿勢がよくて笑えたり。亀ちゃんとゆっちがいじめっ子聖を「せ〜んせに言ってやろ」とはやし立てたり。
とても全部書ききれないほどいっぱい。うまく伝えきれない自分がもどかしい。


最後のメッセージも印象に残った。
一日目,聖が何十年後もこのメンバーでやっていきたいと思っていますというようなことを言って,観客からも他のメンバーからも笑われていた。とくばんのことを気にしてるのかな?と思ったりもして。でもその言葉が純粋に嬉しい。
二日目,「また6人で戻ってきますんで,そのときまで浮気せずに待っててください」の亀ちゃんがかわいらしかった。
リアルな彼らを観るのが一番だということを感じ続けた2日間だった。