Live of KAT-TUN "Real Face" 5/14 東京公演 感想(3)

エントリのタイトルを見て,え?と思われた方もいらっしゃるかと...
思いますよね。普通思いますよ。
お蔵入りさせてしまおうかとも考えたコンレポですが,ひっそりアップしておきます。連ドラネタの陰でひっそりと...ってことで。はっきり言って自己満足ですが,でも,ええいアップしてしまえ(ヤケクソ)。


しかも,ムダに長いんだ,このコンレポ。
わかってんなら削れよって話ですが,ごめんなさい!これ以上短くできませんでした!
暇で暇で仕方ない人だけ,お読みください。


黒沢アミーゴ
今回のライブでのお遊びタイムであるコスプレ大会。黒沢くんのマイクの調子が悪くて,「東京ドームのanegoの皆さん,こんばんは」を聴くことができなかった。残念。修二が「黒沢くん,大丈夫ですか?マイク入りました?」と聞いてくれたので登場のやり直しを期待したが,なかった。もう何度も見ているし,別に黒沢くんな仁くんが特別好きというわけではないのだけど(仁くんの魅力はタキシード&ノータイでこそ最大限に発揮される!と思う),それでもやっぱり何となく残念だ。
ところが,黒沢くんはただでは転ばない男だった。
今回のツアーでのお遊びタイムの曲は“オリジナルブルー”“MIRACLE”と“青春アミーゴ”だ。先の2曲では全員で歌いながら会場内をまわり,“青春アミーゴ”になると次の“BUTTERFLY”に備えて,仁くんと上ぼがはける段取りになっている。この日もいつもと同じように「今日は彰がいないけど,頑張る,コンコン!」と亀ちゃんが言って“アミーゴ”が始まった。しつこくて申し訳ないが,この曲はどうしても好きになれない。コンコン言っている亀ちゃんがめっちゃくちゃキュートなのを加えても,やっぱりダメだ。観客は振り付きで熱唱していて会場の一体感はこの上ないのだけど,それだけに,逆に何となく取り残された気分になる。
...と一人シラけていたら,なんとメインステージで踊っている修二の横に黒沢くんが登場。え?と思うまもなく,なんと踊った!!アミーゴのサビを修二と並んで踊った!!!
このときばかりは会場のほかの観客の反応を気にする余裕全くなし。デビューコンで聖やじゅんの,ゆっちが踊っているのを観たときも嬉しくて泣き出しそうになったけれど,まさか仁くんがやるとは思わなかったから...あの仁くんがアミーゴで遊んでくれたのが嬉しくて,二人が映ったスクリーンを,ただひたすら見つめる。
ダメだ,今日の仁くんはイチイチど真ん中で来る。あんまり頑張られると,堕ちちゃうよ...


たまにはユルい場面も
修二と黒沢くんの2ショットで盛り上がったアミーゴだったが,その後のお遊びタイム自体は,どちらかというとグダグダ。最後ということで,逆に力が入りすぎたのかな。それまでの構成があまりに完璧だったので,このグダグダな感じに逆にほっとしたりもする。
笑えたのは,聖とじゅんののやり取り。聖の「地元はどこじゃ」に,じゅんのはメインステージのひな壇の上から「みんなのココロの中さ」。聖,絶句(笑)。しかも,ボコボコにしようにも,じゅんのは優雅にひな壇を降りてくるので,間髪入れずというわけにいかない。聖,気の毒...すると,修二がささっと出て行って,「こんな人は放っておこう」。「俺はどう答えればいいの?」と困り果てた聖に,「この人(じゅんの),基本的に先考えてないから」と修二。あまりに的確なコメントで,思わず笑ってしまう。でも,他の人が言ったら“バ〜カ”で切り捨てられるセリフでも,じゅんのが言うと何となく許せてしまうのがすごい。キャラ勝ちだ。
4人で踊る「アミーゴ」も,あらためて瞳に焼きつける。


せつなくて,でも温かいラスト
お遊びタイムの後は,がらっと雰囲気を変えて,仁くんと上ぼが“BUTTERFLY”を披露。この曲が終わるあたりになると,少しずつ寂しい気持ちが生まれてくる。そして,とうとうラスト。“PRECIOUS ONE”のイントロが流れると,場内がかすかにどよめく。ずっと来なければいいと願っていた終わりが,とうとう来てしまったことを告げるメロディだから。


6人を乗せたムービングステージが,徐々にメインステージへと戻っていく。スクリーンには,6人の顔が交互に大きく映し出される。少し険しい表情で前を見つめるゆっちに目をやると,彼の頬を涙が伝っていた。涙を気にするよりも目の前にある景色を瞳に焼き付けることのほうを選んだかのように,じっと前方を見つめている。スクリーンに目を赤くしたゆっちが映るたびに,観客が絶叫する。シンプルにデビューを願い,その願いがかなったことを,これ以上なくシンプルに喜ぶ。究極のところまで行ったとき,そこに理屈の入り込む余地はないのだということを実感させられた瞬間だった。


最後の挨拶は,みんな言葉に詰まる。
ゆっちは涙をこらえながら,途切れ途切れにこの場に存在できることへの感謝の気持ちを。上ぼは,爽やかに「これからも頑張っていくので,応援よろしく」と。聖は「えーっと,何て言ったらいいかわかんないや...一言だけ言えるのは,みんなが最高だったってことです!」と言って下がった。じゅんのも,言葉に詰まっている。「えーっと,えーっと...」観客からは「じゅんの,頑張れ」と声援が飛ぶ。でも,言葉が出てこない。普通だったら何でも良いからとにかく何か言って下がるタイミングだ。でも,きっと自分の気持ちにぴったりくる言葉を言いたい,と思ったのだろう。散々詰まった挙句「6人でやってこれたのが嬉しい」「みんなの応援が必要」というようなことを何度も繰り返してから,下がった。
仁くんは普段どおりのメッセージをよどみなく。「今日は本当にありがとうございました。皆さんと時間を過ごすことができて嬉しかったです。ココで作った笑顔を,帰ったら家族・恋人・友達に分けてあげてください。またお会いしましょう。I had a precious time with you. See you again. Bye-bye.」そう,すっかり覚えてしまうくらい変わらない挨拶。そこには“今日も40回以上やってきたうちの1回ってだけだから。別に特別でも何でもないから”という仁くんのスタンスが見えるような気がした。でも,思った。ココで作った笑顔を,というときにふと見せた笑顔,そして「またお会いしましょう」「See you again. Bye-bye.」と言ったときの表情は,これまで見てきたどんな表情よりも優しくて穏やかだった。それだけで,十分特別だった。
亀ちゃんも,よどみなく,今回のツアーで多くの人に会えた経験は貴重で,きっと何十年経っても忘れないだろうと思った,と話す。相変わらず大人だ。ところが「これからも6人で」というのと「KAT-TUNで」というのが混ざってしまって「これからもロクーンで」と言ってしまう。亀ちゃんが噛むなんて本当に珍しい。でも,噛んでしまったことに一番驚いたのは亀ちゃん自身だったのではないかという気がする。メンバーのほうを振り返りながら「ロクーン(何やってんだ,俺)」と一人ツッコミをした後,いつもと同じクールな亀ちゃんに戻って締めくくった。


貫禄の底辺にある純粋さ
デビューツアーなのに,十分に高い技術。新人とは思えない度胸。そして貫禄。この日も,彼らのパフォーマンスは見事の一言に尽きた。動きに一切ムダがない。たった6人で5万5千人を相手にして,決してかすまない存在感。3月には若さにモノを言わせて広いスタジアムを走り回っていた,言葉を変えればあの会場の大きさを力でねじ伏せようとしていたメンバーが,この日は広大な空間を完全に自分たちのものにしていたのが,印象的だった。どこで客席に近づいて,どこでカメラにアピールすればよいか,そして,どのタイミングで客席を煽ればいいかを,6人が冷静に判断できている。一つ一つのパフォーマンスにはいつも以上に力が入っているにも関わらず,だ。
そして,ツアーの間中,彼らは経験のなせる業をこれでもかというほどステージにぶつけてきた。周囲が新人に求める「初々しさ」「爽やかさ」「仲間意識」をあえて笑い飛ばすところにKAT-TUNは自分達の個性を見出してきたと言っても過言ではない。
しかし,そんな彼らが,ツアーの最後に見せたのは,度胸とか貫禄とはかけ離れた純粋さだった。そして「仲が良い」という言葉だけではとても表現しきれない強烈な結束力や連帯感だった。ステージ上で手を振るKAT-TUNのメンバーは,6人ともこれまでで一番キラキラしていた。


この幸せがいつまでも続きますように
アンコールの"Real Face"では,仁くんが替え歌で「みんな,泣くな〜」と声をかけてくれる。その声が,どうしようもなく男らしくて優しい。
曲が終わったあと,「さっきちゃんと挨拶できなかったから,もう一度しゃべらせてよ」とじゅんのが珍しくアピール。「えーっと,だから,言いたかったのは..」と頑張って言おうとするのだけど,やっぱりうまくまとめられない。「お前のは,言い直しても,やっぱり何言いたいのかわかんねぇよ」と聖に言われ,引き下がった。でも,何とかして言葉にしたいと頑張るじゅんのの気持ちも,照れ隠しのようにツッコミを入れる聖の気持ちも,ファンはしっかり受け取ったと思う。言葉にしなくても伝わる思いって,確かにあるんだよ。


Wアンコールは,今日も“Will be Alright”。そして歌い終わって仁くんがエンディングメッセージを言おうとすると,それをさえぎるように会場から「もう1回」の大合唱。メンバーが「もう1回?」と少し困ったような表情をする。彼女に甘えられて困っているような,そういう感じ。甘えられて嬉しいんだけど,どうやって答えたら喜ばせてあげられるかな?というような。「じゃあ,今日は特別だから,もう一曲やっちゃいますか!」に続いて,聖が「ホントにあと一曲で終わりだから。もう遅いからね」と客席に言い聞かせてから,メンバー同士で相談。ハルカナ行こうか,でラスト“ハルカナ約束”をファンと一緒に大熱唱。


最高に楽しくて,最高に幸せな3時間をありがとう!
この幸せが,いつまでも続きますように。


<オマケ>
この日の亀ちゃんは久々に亀ちゃんらしかった。少なくとも,私の目にはそう映った。カメラに向かって表情を決めたり,MCでリラックスしてしゃべったり...どこがどうと細かくは説明できないのだけど,とにかく最初から最後まで<亀梨和也>だった。頑張ることをみんなに期待されているから,それに応えられるように頑張ってみせます,というのではなくて,自分の意志で頑張っていたというか。
荒波にもまれて,もがいているうちに,自分が何で亀ちゃんのことを好きになったのか忘れかけていたのだけど,この日見ていて思い出した。そうだ,こういう亀ちゃんを私は好きになったんだった。自分が頑張りたいから,頑張る俺ってカッコいいって思うから,だから頑張るんだよっていう亀ちゃんを私は好きになったんだった。
これからも亀ちゃんをずっと好きでいられたらいいなと思った。