KAT-TUN LIVE TOUR 2008 QUEEN OF PIRATES in 東京ドーム[1]QUEEN KAT-TUN号出港

東京公演(特に最終日)を中心に,今回のツアーで感じたことを書いて行こうと思います。勢いにまかせて,ひたすら書きます。とりあえず[1]とナンバリングしてみましたが,いったいいつまで続くのか,書いている本人にもわかりません...


超長文でも,クサい文章でも,「しゃーねぇなぁ,許してやるよ」(聖風に)という方だけ,お読みいただければと思います。



豪華なセットを見上げる
今回のドーム公演では,とにかくセットが豪華だったのが印象的だった。特に3日はアリーナ席だったので,席に座ると前方に巨大なセットがそびえ立つイメージになる。圧巻,の一言。おそらく大変な時間をかけてセットを組んだであろうスタッフさんに心の中で拍手を送る。
そして,アリーナの外周を進む海賊船やラストに登場するQUEEN KAT-TUN号などにもお金をかけている感じがすごく伝わってきた。6人を見ることが一番重要で,それさえ出来れば十分なのだけれど,やはり骨組だけというセットやトロッコよりは,きちんと作りこんだもののほうが安定感があって,安心して見ることができる。


KAT-TUN降臨
場内の照明が落ちて,最初に登場するのはKis-My-Fit.2とA.B.C.だ。ステージ中央に立つ藤ヶ谷くんがステージ上に散っているメンバーを紹介し,最後にA.B.Cが舞台「DREAM BOYS」でよく見るロープ技を披露する。A.B.C.は大技を披露してくれているわけだが,観客が待っているのはあくまでもKAT-TUNの登場なので,大技に見合うだけの拍手や歓声は起こらない。そして,ライブという観点から見ても,照明が落ちた途端に観客が立ち上がって絶叫するといういつものパターンにはならず,オープニングはいつも,ほんのわずかではあるが微妙な空気に包まれる。コストパフォーマンスの悪い演出だ...


一呼吸置いて,今度こそ本当に歓声が上がる。
KAT-TUN,降臨。


“T∀BOO”は,本当に難しい曲だ。でも,オープニングにふさわしい荘厳なイメージの曲でもある。“SHE SAID...”のように,歌い出しからドカンと来るタイプの曲ではない代わりに,波が押し寄せるような,何かが徐々に近づいてくるような,そんな不思議な感覚を持つ曲だ。
そして,これまでのライブではわりあい早い段階でステージの前方に進み出てきていた彼らが,今回のツアーでは後方のリフトに乗って,観客からもっとも遠いところで上下動しながら歌い継いでいく。距離を感じるようで,でもスクリーンの映像を見ていると,カメラアピールする彼らがひどく身近な存在のようにも思えて,やはり少し不思議な気分になる。


何にしても,今日もまた彼らは6人揃って登場し,全員がきちんと観客のほうを向いてくれている。それが当たり前のことであるように。それが嬉しい。


変わらない,“まだ”堕ちない
双眼鏡を使わずにライブに参戦することが多いからか,KAT-TUNのライブのオープニングというと,スクリーンに抜かれる仁さんが印象に残ることが多い。そして,今回もまた,やはり彼の姿が印象的だった。ただし今回の場合は,仁さんそのものが印象的だったというよりむしろ,亀ちゃんのビジュアルにコミカルなものを感じてしまって,よけいいつもどおりの仁さんのほうに目がいったというのが正解かもしれない。


静岡公演では,トレードマークのサングラス姿が前回のツアーを彷彿とさせて,ほんの一瞬ではあるが違和感を覚えた。3日の公演では,パイプをくゆらせる姿を初めて見て,リアルに煙草を吸う仁さんを見てみたい,という願いがかなえられたような気がして嬉しくなった。
そして,5日公演。パイプをくゆらせるだけでなく,仁さんはリフトに座り込んで登場した。そして,カメラが抜くのを確認するようにためてから,ふーっとけむりを吐き出す。サングラスの奥からアリーナ席を見下ろし,「ここまで来れるもんなら来てみろよ」的雰囲気を漂わせている仁さんは,これまで私が持っていた彼のイメージと何ら変わらない。


そう,あえて極端な言い方をするなら,リフトに乗って現れたオープニングの仁さんは,前回のツアーまでと何ら変わっていなかった。サングラスをかけ,少しだけ観客から距離を置いているように見えるところも,座り込んで煙草を吸ってみせるという,どう考えたって歌を歌うこととはかけ離れた姿勢で登場するところも。その姿勢そのものには異論がありつつも,仁さんがやると文句なくカッコいいから,“まあ,いいか”と許せてしまうというところも。
3日の公演でパイプをくゆらせたのを初めて見た瞬間だけはうっかり堕ちかけたけれど,見慣れてみるとそれは一時の気の迷いであることがわかる(笑)。冷静に考えれば,仁さんが「イチイチ,カッコいい」(by光一さん)のはわかっているし,慣れてもいるわけで,あのオープニングだけでは“まだ”堕ちない。


仁さんがこれまでとは別人に見えるのは,もう少し後の話だ。


前半は少しゆるい構成
これまでKAT-TUNのライブというと,前半はへヴィな歌声とダンスとで魅せて煽ってぐいぐい攻める,中盤で少し遊んだり和んで,ラストでもう一度締めてくるというのが定番だったように思うのだけれど,今回はかなり勝手が違う。オープニングの“T∀BOO”から“Keep the faith”,“Gold”までは確かに硬派なイメージの曲が続くが,それ以降は“jumpin' up”や“ノーマターマター”“TEN-G”などをはさみながら,またA.B.C.とキスマイの小芝居(苦笑)をはさみながら進行していくので,あまり「たたみかけるような」という雰囲気にはならない。それぞれの曲の個性が強いせいもあって,つなぎ方で多少苦労しているようにも見える。


それ以外にも,メンバーがそれぞれ観客に向かってメッセージを発するタイミングを少しずつずらしてきたり(6人が完全に順番に言葉を発するわけではなかったと思う)するので,今回は構成に慣れるのに時間がかかった気がする。見方を変えれば,飽きが来ない構成だったと言えるし,メンバー一人一人がメッセージを無理に変えなくても,というよりむしろ変えないでくれるほうが良いと思わせる効果があったように思う。
例えば,亀ちゃんが毎回必ず「最高の想い出を作ろうぜ!」的なことを叫んでくれるのを聴くのは,やっぱり嬉しかったし,じゅんのの「入口出口田口です!」も初めて生で見て,お〜と思ったりした。そうかと思うと,ファイナルでゆっちが盛んに「最後まで盛り上がってくれ!」と叫んでいたのは,それまでと違って印象的だった。なんだかんだ言ってもファイナルって特別なんだなと気づかされたというか。ああやって大声で叫ぶときに普段よりずっと渋い声になるゆっちは,とてもインパクトがある。


メンバーの発声ということでいえば,仁さんが“What's up, Tokyo?”と客席に問いかけるシーンがあって,そこもとてもカッコよかった。“What's up?”というのは「元気?」とか「調子はどうだい?」というような意味だけれど,ごくごく親しい仲間うちで交わす挨拶表現なので,日頃ビジネス英語しか使わない私にとってはなじみの薄いものだ。でも,だからこそ,あの場面で仁さんがそういう表現を使ってくれたということに,とても感動した。まあ「たかが挨拶でそこまで深読みされると,ひくわ」くらい言われてしまいそうな気もするけれど(笑)。その後,もう一回英語で呼びかけておいて,最後に口の端だけで笑って「盛り上がっていこうか」とクールに語りかけるところも,わかっちゃいるがイチイチ格好良くて,腹が立つ(笑)。


ライブの前半が緩めの構成に見えたのは,聖亀淳のソロが企画ものっぽい作りだったということも影響していると思う。ソロについてもいろいろ考えることがあったのだけれど,それについては,次回。