「妖怪人間ベム」第2話 感想

土曜日は夜まで仕事だったので,第2話は残念ながら録画を視聴。もう数字を気にするのはバカらしいと思いつつも,やっぱり視聴率が気になる。良いドラマだし,キャストもスタッフも本当に頑張っているから,一人でも多くの人に見てもらいたいと思ってしまう。余計なお世話ですが。相変わらず数字がよかったので,ほっとした。
さて,このドラマは何となく夜,暗くなってから観たい作品だと思ったので,日曜日の夜に録画を視聴。(2011/10/31記)

  • 第1話と比較すると,だいぶ筋というか構図というかがわかりやすくなった印象。その代わりというか,緩い部分がなくて,いきなりトップギアに入れるというかアクセルを踏み込んできた感じがする。今後,どういう感じで進んでいくかが読めなくて,ちょっと緊張する。
  • 犯人役が豪華。というより豪華すぎる(苦笑)。第1話の光石研さんはすごーく好きな役者さんなので(最近だと,ドラマ「Q10」での平太のお父さん役とか,映画「マザーウォーター」のオトメさん役とか,本当に優しい雰囲気の素敵な役者さんだと思う),実は「犯人役かぁ」と少しだけ悲しかったのだけど,第2話の犯人役の風間くんを見ていて,何となく納得した(個人的には,風間くんには普通の素敵なお兄さんの役をやってほしいのだけど)。振り切れた演技が出来て,しかもどこかに「ホントはこの人悪い人じゃないのに」と思わせる何かを持っている役者さんが選ばれているということなんじゃないか。次の細田くんも「Q10」のヲタ役で振り切れてたからなぁ。何かと意味がありそう。
  • でも,風間くんと亀ちゃんの並びを見て,思いのほか強く“兼次郎と明彦だ...”と思ってしまった。思えば,遠くへ来たもんだ...という感じ。すみません,邪道で。
  • 亀ちゃんのビジュアルが,第1話より格段にグレードアップした気が。単に,こちらが奇抜な容姿を見慣れただけか?妖怪人間に変身するところも,今回はスピード感があって,とってもカッコ良かった気がする。連ドラなのにこの特撮の豪華さ,丁寧さ。ゾクゾクするな〜。
  • ベムもベラもベロも,3人とも現時点では絶望的に切ない。ただ,明示的に「バケモノ」と言われてしまって,にも関わらずその人間を助けずにはいられないベムも切ないのだけど,今回はベロの切なさがダントツだった気がする。一緒に生まれてきたはずなのに,コドモだからという理由で言うことを信じてもらえないというところ。ママさん的位置づけのベラから「つまらないこと言ってんじゃないよ」と一喝されるのはいつもの事だから良いとしても,何となく理解者っぽいベムからも「一度やれば気が済むだろうから」と淡々と言われてしまうと,余計切ないだろう。切なすぎるだろう。もちろん,そのあと,ベロの言っていることが嘘じゃないことがわかるわけだし,犯人もベロが見つけるわけだから,救いはあるのだけど。
  • 第1話では,3人の間に人間でいうところの家族的なつながりがありそうな気がしたのだけど,第2話まで見てみると,家族っぽく見えるだけなんだな,という気分になる。3人とも孤独というか,それぞれの間に微妙な距離がある気がする。まあ,最近江國香織さんがしきりに作品の中で描くように,家族と言えども分かり合えているかどうかの保障なんてどこにもないわけだけど。
  • 今回,一番救いがあったのはベラか。人間でないということから一瞬でも解放されて,自らの存在が誰かの救いになり得たという意味で。いつも見ていてくれて,何かあった時に「それは違うでしょ」と止めてくれる人がそばにいるというのは,実は幸せなことだよなぁと思う。
  • でも,そう考えると,妖怪人間になった3人が悪と戦う場面では,一線を超えないように,必ず誰かが誰かを止めているんだよな。前回はベロがベムを止めて,今回はベムがベラを止めて。やっぱりお互いはお互いにとって特別な存在ということか。3人が絶望的に切なくても前に進めるのは,おそらく3人いるからなんだろうと思う。それが彼らにとっての唯一の救いというか。
  • 人と人との関係ってとっても複雑で,だからこそ時にひどく面倒で,同時にひどく愛おしい。