「野ブタ。をプロデュース」第1話

(すみません,遅くなりましたが,今日からドラマの感想行きまっす。)



うーーーーーん。
面白くないわけじゃないんだけど,しっくりこない。
これが第1話を見終わった時点での偽らざる感想。


映像はとても綺麗だし,出演者は熱演だし...と決して雑なつくりだとは思わないし,各場面はいいと思うんです。
でも全体の方向性が全く見えなくて,そのために見終わったあとに残ったのは強烈な違和感でした。


ドラマを見る前に思っていたこと。
自己プロデュースする修二に亀ちゃんを持ってきたセンス(?)には激しく共感。
でも,「野ブタ」を女の子にしちゃったというのはどうよ?
(しかもどう頑張ってもカワイイのは隠せない)
Pちゃんが原作にないキャラを演じるってどうよ?
...めちゃくちゃなことやってくれるなよ,と念じてみたりして。


で,実際見てみると,信子役の堀北真希ちゃんと彰役のPちゃんのキャラがあまりに強烈で。
肝心の修二はかすんでなかったですか?
いや,亀梨さんは熱演です。相変わらず格好良いです。
...ですが,キャラが立ってない。
ドラマの修二って,心に闇を抱えてそうに見えないんですよ。
みんなの前ではクールで,実際にはけっこう熱いっていうんじゃ...
自宅でだらんとしている修二も,「柳!柳がない!」とジタバタする修二も,亀ファンにとっては「ご馳走さま〜」な映像ですけれども,そこからは修二をどういうキャラとして描こうとしているかが見えてくるわけではないんですよね。
極めつけは,投げやりな信子を自転車の後ろに乗っけて,柳の旅を追いかけちゃったりするわけですよね。
いったい修二って何者なんだよ?
タダのいいやつなんじゃないの?
と思うわけです。


原作の修二が問題なのは,たぶん家族の前でさえ自分をプロデュースしてしまうところにあると思うんです。
自分で「本当の自分」だと信じている自分は,本当にまれにしか出さない。
しかも,たぶん「本当の自分」は良くないヤツだ,と思っている。
「本当は俺はみんなが思ってるほどすごいやつじゃねぇんだよ」と心のどこかで思いながら,自己プロデュースをしているから,知らず知らずのうちにものすごく疲れているんだと思います。
で,いつかは破綻する。


っていうのが私の理解なんですけど,ドラマはそういう感じはかけらもなかったですね。


話自体も信子を丁寧に描こうとするんで,どんどんイジメが主題みたいな感じになってきちゃって,あれあれ〜と思いながら最後まで見ました。
イジメはよくないって話なら,何も「野ブタ。」を持ってくる必要はないし,もし亀梨&山下を使いたいっていうのであれば,なおさら「野ブタ。」である必要性はないわけで,その辺のところがちょっと不安です。


それにしても,ジタバタする修二っつーか亀ちゃんはかわいかったなぁ。
(いきなりただの亀ファンになってみる)
お裁縫が得意っていう設定も,金八先生の親睦会の様子(明彦はニンジンの皮を剥けなかった)を思い出すと,なんか笑っちゃいます。(笑)


ところで,彰のキャラはウザいですが,Pちゃんが王子と言われる理由はわかった気がしました。
あんな極端なキャラを作りこんでいるのに,時々ふと見せるしぐさが本当にカッコいいので。
あれも演技だとしたら大した役者ですが,なんとなく素が出てしまっているだけのような気がします(失礼)。
亀ちゃん,Pちゃんに食われるなよ〜と無駄に念じてみたりして!