「野ブタ。をプロデュース」第3話

初めて,修二の行動や気持ちがわかった。そして,共感できた。


みんなにいい顔をしようとして,で,結果的に何も残らなかった。
たぶん日頃だったらそんなものだと思って終わりにしただろうけれど,今回はそばに充実感を漂わせている人たちがいた。
だから,自分に何も残らなかったむなしさを痛感せざるを得なかった。
そういうある意味絶望的な感情をラストの亀ちゃんは非常によく表現できていたと思う。


自分が何気なく言った「奇跡だよな」という言葉を信子があんなにも心にぐっと来る使い方をし,終わったあとに「穴掘ってるのも悪くないかも」と思えたほどの何かをつかんだ。
それに対して,自分の手元には何も残らなかった。
先週まで「なんでこいつらと俺一緒にいるんだろ」って自分でツッコむほど3人で行動していたのに,肝心なところで自分だけは遠いところに取り残されてしまった。
文化祭の思い出は何もない。


修二は人気者だけど,親友だとか言ってる友達もいるけれど,そこには心からのつながりはないということもよく描けていたと思う。
修二が一方的に周囲をバカにしているというよりは,実は周囲も修二をその程度にしか見ていないということも。
つながりは非常に希薄だということも。
彰と信子が「何年か経ったら,あの時は面白かったねって思える日が来るのかな」というような突っ込んだ話をしていたのとは対照的に。


亀ちゃんが3話の台本を読んで「なんか悲しくなってきた」っていう感想をもらしたらしいけど,修二をやる役者さんって確かにきついよなぁ。


ただ,通しで見ると,相変わらず方向性は定まっていないように見える。
第3話で描かれていた修二は「人気者」という位置づけからはかけ離れていたように思うから。
人気者っていうのはえてして八方美人なわけだけど,物事の中心には必ずいるし,みんなから一目置かれているものだ。
でも,今回の修二は少なくとも物事の中心にはいなかった。単なるお人好しっぽかったというか。
あとは,クールで周りの見る目を気にするっていう性格からもかけ離れていたように思う。
校庭でカメラを買おうとして「あ,俺,今農民だった」っていうところとか。
慌てて帰ろうとしてこけてベチャってつぶれるところとか。
もちろん,亀ファンとしてはそういうお茶目なところを見るとほっとするわけだけど,ドラマとしては,ね。
出だしだって,2話までの流れを引きずって「お兄ちゃんは家の中と外では全然違う」「セコイ」「だらしない」っていう,レベルの違う話から入ってたし。


裕翔演じる浩二は最後にはいいポジションをもらってたなと思う。
でも,浩二がフォローを入れるわけだけど,しかもけっこういいことを言うわけだけど,修二の立場から見ると,たぶん思ったほど救われてないんだよね。
弟にフォロー入れてもらっても,慰めになってないんだよね。
ただし,それを自覚して,なおかつ弟に対して「俺みたいになるなよ」と言える修二は,まだ変われる可能性を持っているのかもしれない。


さてさて,話題を変えて。
しりとり編を微妙だなんていっちまったせいか,ラーメン編としか出会わなくなってしまいました。
(DocomoCMの話)
でも,仁くんは30秒ヴァージョンでもやっぱりいいっす。
「みんなで食うからうまいんじゃん」のふくれっ面には倒れそうになりました。(大げさ)