「野ブタ。をプロデュース」第7話

すみません。
昨日第6話と第7話を続けて見てしまいまして...
ご覧になった方ならおわかりのように,第7話がすごくてですね。
第6話の感想どころではなくなってしまいました。
先に第7話をアップします。
第6話はちょっと落ち着いてからということで..


第5話,第6話の流れで,ちょっと油断していたせいもあるのでしょうが...
見終わって,ショックのあまり言葉もなくて,どうしようかと迷った挙句,KAT-TUNのDVD『海賊帆』を見直してしまいました。
深夜にね。ウイスキーグラス片手に,体育座りして。
何やってんでしょうね,まったく。


休日の学校でまりこと話すところ。
今まで自分はこう思ってた,というところまでは,正直に言ったなぁって思いながら聞いてたんですよ。
修二の気持ちはすごくよくわかったし。
ここまでの告白だけでも,まりこにとっては十分残酷なわけですが,でもここまでならまだ何とかなったと思うんです。
次の展開によっては,「正直に胸のうちを打ち明けた」っていう前向きな話にできたはず。
で,これまでの流れから言ったら,そうなったはず。


でも,最後のまりこの質問への答えは予想と全然違っていました。
ショックでしたね。
言われたまりこの立場にたって,というよりむしろ,残酷な言葉を口にすることを選択した修二の変化に対してショックを受けた感じです。
あぁそうなのかって。
修二は彰や信子に影響を受けて,変わりつつある。
でも,それはこれまでの人間関係を崩さずに,そこに「気持ち」とか「心」を入れていこうとする意味での変化ではない。
できるかどうかはわからないけど,相手の気持ちに答えられるかどうかやってみるよという変化ではない。
自分をさらけ出す,嘘をつかないという意味での変化なんだなって。
まりこはもちろん,結果的に自分をも傷つけることになる言葉を,それでもなお口にしないのはいけないことなんじゃないかと思うようになったという意味での変化なんだなって。


夜の公園でのシーンも,全く妥協なしでしたね。
「人に嫌われるって,怖いよな」というセリフもさることながら,その次が特に。
信子に抱きしめられたあと,“野ブタに声かけてやらなきゃ。何か言ってやらなきゃ,気にするじゃんか”と思ってしまうところとか。
(その上,思っても身体は動かないんだよね。あの感覚,すっごくわかる)
彼女に救われるのではなくて,“俺は寂しい人間だ”と気づいてしまうところとか。
誰か一人でもわかってくれる人がいる,それで十分じゃないか?と思えないところとか。


普通,亀ファンだったら,あの場面で自分をシンクロさせるのは信子に対してだと思うんです。
あんなボロボロになってる修二を私が何とかしてあげたい。
そう思うのが当然だと思うんですよ。
でも,何故だか,私の目線は修二なんです。最初から,ずっと。
抱きしめられてなお救われない修二の気持ちにどこまでもシンクロしちゃってるんです。


自分がそうだったからかな。
誰とでも仲良くやれるのがいいことだと思ってやってきたので。
言葉を変えれば,誰かとだけどっぷりっていうのがしんどくて。
結果,親友と呼べるような人はできませんでした。
親も含めて,私がどんな人間かなんてわかってくれてる人はいないと思います。
というより,本当の私なんてあるのかどうかもわからないし,仮にあったとしても別にわかってもらう必要もないと思って生きてきて,今の私がいます。
原作の修二は,そういう私の生き方をある意味肯定していたと思うんです。
肯定っていう言葉が当たっているかどうかはわからないんですけど。
少なくとも,そういう生きかたしかできないやつもいるんだよって言われたような気がして。


でも,ドラマの修二を見ていたら,もしかしたら変われる可能性もあったのかもしれないという気がしてきました。
私自身に関しては,もう手遅れなんですけどね。
でも,修二がどうなっていくのかを自分の問題としてとらえてしまっているように思います。
修二が周りからどういう形で拒絶されたり受け入れられたりするのか。
誰がどういう形で修二を救ってくれるのか。
知りたいんですよね,本当に。


彰の家で,3人で撮ったVTRを見るところ,笑ってる感じがすごく自然でよかったです。
修二が映した「好きなもの」というテーマのVTRに人しか映っていないことに信子が気づくシーンも,すごくよかったです。
修二は,あの2人に本当に救われてるんだよな。


最後に,亀梨和也という一人の俳優に惜しみない拍手を。
もちろん,プロデューサや脚本家の人たちの解釈や作り出すメッセージが共感できるものであることは確かだし,演出も映像も音楽も,間違いなくドラマのクオリティを高いものにしていると思います。
でももう一つ断言できるのは,亀梨和也という俳優がスタッフの伝えんとしていることをきちんと形にしているということも,ドラマに大きな影響を与えているということです。
修二という役に入り込むのは本当につらいことだと思うけれど,最後まで妥協することなく演じきって欲しいと思います。


修二をやってる亀ちゃんが今回なぜか木村くんに似ているように見えたことに,やけにドキドキしました。
「ごくせん」のときは決してうまい役者だとは思わなかったのに,たった半年でこの成長ぶりってすごい。
それが持って生まれた才能というよりは努力の賜物だというところに,たぶん亀ちゃんに惹かれる理由があるんだと思います。