Live of KAT-TUN "Real Face" 5/14 東京公演 感想(1)

今回のツアー最後のコンレポをアップします。


最高のパフォーマンスを見せてくれたKAT-TUNのメンバーと関係者の方々に,感謝の気持ちを込めて。
当日会場にいらした方々に,最高に幸せな時間を共有できたことを感謝しつつ,あの感動を思い返すきっかけになりますように。
そして,会場に来られなかった方々に,あの幸せな気分を少しでもおすそ分けできますように。


あまりの広さに
2ヶ月前,初めてKAT-TUNのライブを見たのは,この日と同じ東京ドームだった。でも,あのときと今の私では,だいぶ感じ方が変わってしまっている。レインボーホールや横浜アリーナのステージを経験してしまうと,東京ドームの大きさは途方もないものであることがわかる。しかも,今回はアリーナ席もある。一体どんなステージになるのだろう。遠くから豆粒ほどの彼らを観て,本当に満足して帰ることができるのか。それが唯一,そして最大の心配だった。


実際にドームに行ってみると,グッズ売場の列も入場も,3月のデビューコンのときの異常な混みように比べたら,なんてことはなかった。同じ人数が来ているはずなのに,何だかとてもあっさりしている。
しかし,だからこそ,スタンド席に入ってメインステージとアリーナ席を眺めた瞬間の衝撃はよけいに大きかった。外野側に設営されたメインステージは,はるか遠い。アリーナ席には気が遠くなるような数の人がうごめいている。バックステージにあたるところには小さな円形のステージが一つ。何か仕掛けはあるように見えるが,どんな形になっているのかはよくわからない。遠すぎるのよ〜ん(壊れ気味)。


予定開始時刻の17:30を少しまわったころに会場の照明が落ちる。オープニングの音と映像がツアーで使っていたものから変わっていて,少しがっかりする。あの今から始まるぞ,という感じの音と映像,最高にカッコよかったのにな。
でも,メインステージのセンターから現われた6人を見た瞬間に,そんな気持ちも消え去った。衣装や立ち位置が少しずつ違っていて,これは新しいものを見られるかもしれないという期待が膨らんだから。メインステージに出てきただけなのに,彼らが抜群の存在感を示しているのが,嬉しい。


さすがオーラス
横浜公演から1週間おいたのが功を奏しているのか,メンバーは全員元気だった。
今回のツアーのステージ構成では,メンバーが一人ずつもしくはコンビでパフォーマンスをするチャンスが前半だけで4回ほどある。
最初は一人ずつカメラに向かって表情を決めるところから。いつもうっかり見逃してしまう亀ちゃんの投げチュー,今日はスクリーンをガン見。仁くんは,指をなめてみせるのをやめたらしい。じっとカメラを見て,ギリギリまでためてから,最後かすかにポーズ。ったく,何やってもカッコいいって詐欺だよ(逆ギレ)。聖もゆっちも上ぼも硬派な雰囲気でポーズを決める。最後のじゅんのだけは,爽やかさを絵に描いたらじゅんのというくらいキラキラの笑顔を画面いっぱいに。
続けてのコンビダンスは,じゅんの&聖,上ぼ&ゆっち,仁亀のコンビで(たぶん)。じゅんのと聖(だったと思う)が一緒にバク宙を決めていてきれいだった。いつもは,ガシガシ踊る亀ちゃんを横で眺めていることが多い仁くんが,この日はきっちり踊った。仁亀が本気でダンスする姿は最高にきれいで,それだけで幸せな気分になる。他の観客も同じことを思っているようで,二人が踊るとスタンド席からも悲鳴に近い大歓声が起きた。


何曲かオリジナル曲を披露したあと“NEVER AGAIN”の前に着替えるためにメンバーがはけるのだが,そこで一人ずつメッセージ。最初は仁くん。“Are you ready?”と会場に呼びかける。観客が“Yeah!”と応えるものの,満足できないというように,今度は少しゆっくり,一語ずつ強調するように“Are you ready?”。観客もさらに大きな声で“Yeah!”。でも,まだまだ。最後にもう一度“Are you ready?”。いつも煽るときは,“聞こえな〜い”という感じのジェスチャーをするのだけど,今回はシンプルに言葉だけ。でも,この言い方が,ものすごくカッコいい。仁くんの英語は,単に発音がいいだけでなくてイントネーションやニュアンスまでネイティブっぽいところにいつも感心する。そして,シンプルな煽りはこの上なく効果的だ。全く同じフレーズなのに,亀ちゃんが“NEVER AGAIN”の前にいう“Are you ready?”とは全然違うのが面白い。
亀ちゃんのメッセージは“イヤなこと忘れて,俺達とみんなで特別な夜にしようぜ!”だった。仁くんとか亀ちゃんはよくライブで“イヤなこと忘れて”とか“イヤなことは全部ここに置いていけよ”というようなことを言ってくれる。個人的に,この言葉がすごく好きだ。そう,誰だってイヤなことの一つや二つ,抱えて生きているでしょ?大人になればなるほど,抱えるものは嫌でも大きくなる。ライブに参加するために払っている代償だって,決して少なくないはずだ。でも,一旦ライブという空間に入ってしまいさえすれば,そのときだけは全部チャラにできる。オトナでもコドモでも,男性でも女性でも,どんな立場にいる人でも,KAT-TUNが好きという一点において完璧に平等で,楽しむためだけに集まっている。そういう,特別な時間を過ごしている幸せな自分を実感させてくれる言葉だから。


最後は,聖・ゆっちの紹介に合わせて一人ずつパフォーマンス。亀ちゃんはダンスの後バク転2回。いつも思うことだけれど,亀ちゃんのバク転は軽くてこじんまりしている。ゆっちと聖はHIPHOP系のダンスを披露。きっとフリーで踊っているのだと思うけれど,二人ともいつもより振り付けが複雑で,気合を感じる。上ぼは上体をそらすしぐさをやった後にボクシングの型を少し入れたようなダンスを披露。上ぼの踊る姿,カッコいいんだから,いつもちゃんと踊ればいいのに(笑)。じゅんのは,手足の長さを最大限活かした優雅なダンスのあと,アクロバティックな動き。「美しい」「すごい」という感想しか出てこないはずのパフォーマンスのあとに,ゆっちが「ナイススッピン」とあえてずらしたコメントをするのが少し笑える。仁くんはムービングステージの上を端から端まで歩き回った後,おもむろにロンダードバク宙。おぉぉぉ。仁くんって,本気を出すと最強というか,他の追随を許さないところがある。


これで最後だからか,いつもに比べて一人一人のパフォーマンスが少しずつ長い。一つ一つの動作への力の入り方も,いつもより強いように感じた。そうやって本気モードの6人を見ると,とにかく全員すごい。しかも,ツアーの最初は力を入れれば入れるほどバラバラに見えたパフォーマンスが,うまく融合している。